イベント
2022年7月16-17日
愛知県新城市にて、「愛知県新城市の森から始まる ForestStory もりの環 ツアー」が開催されました。
新城市の木材の製材・加工を行っている 株式会社 杉生 に集合しました。
https://sugishou.com/index.html
株式会社 杉生は、地域の製材所数社が「製材品の販売だけでなく、製品の提案と供給までを」と共同設立された会社です。「奥三河の自然を暮らしの中へ」をキャッチコピーに、建具や家具の製作販売を行っています。
当日は、名古屋市などから建築関係者が8名、参加されました。
まず初めに、みんなで自己紹介。
建築関係、と一言で言っても、立場は様々。いつも建材として、スギやヒノキを扱っていらっしゃる現場の方や、そうでない方、木についての知識や馴染み具合も、疎らなようです。
この日、工場を案内してくださったのは、株式会社 杉生 の山路さん。ご自身はIターンで、異業種から趣味だったDIYをきっかけにこの業界に飛び込んだという、木に対して熱い想いを持った方です。
基本的なことから、専門的なことまで順に説明してくださいました。
建築に携わっていても、製材の現場を見るのは、初めてという方もいらっしゃり、熱心にメモを取る様子が見受けられました。
製材の機械はどれも大きく、大まかにカットされた板が、みるみる滑らかに仕上げられていく様子に、一同、目を見張るばかり。
参加者からは、矢継ぎ早に質問が飛び出し、山路さんが一つ一つ丁寧に応えていらっしゃいました。参加者の皆様は、同社の製材や乾燥方法について多くの見分を得たようです。
次の見学場所は、森の伐倒現場、、、のはずでしたが、この日は、あいにくの空模様。
伐倒の見学は中止となり、代わりに、薪土場(まきどば)での見学になりました。
薪土場ってお聞きになったことありますか?
山で伐った木を搬出し、一時的に仮置きしている場所のことです。
こちらでは、新城キッコリーズの田實さんから、お話を伺いました。
田實さんには、以前に愛知県交流居住センターの取材にもご協力いただきました。
https://aichi-kouryu.jp/magazine/?id=11
新城市では、枝虫材と呼ばれる、一部に虫食いの跡が残る木が多く、昔はそれが当たり前だったそうですが、節のない輸入材が主流の今、枝虫の喰い痕は欠点とみなされるようになってしまったのです。建築材としての性能に問題がないので、ぜひ、多くの方に枝虫材のことを理解してほしい、と田實さんは、直接消費者の方に現状を情報発信することを心掛けていらっしゃいます。
次の見学場所は新城市が誇る1300年の歴史を持つ湯谷温泉。その温泉の加温施設の薪ボイラー施設です。
この施設の担当者大西さんは、2018年合同会社フォレストエネルギー新城を興し、地域の方の協力で、木材を集め、薪にする事業を行っている。
https://aichi-kouryu.jp/magazine/?id=16
湯谷温泉の源泉は32-35度のため、加温して各旅館や観光施設、福祉施設に供給されています。
この施設が出来るまでは重油ボイラーのみが稼働していましたが、現在は、薪ボイラーが導入され、地域の資源である間伐材が、その燃料として生かされているのです。
先の新城キッコリーズさんたちが間伐した木が、薪土場に運ばれ、一部は、株式会社 杉生に運ばれ建材になり、一部は、大西さんらによって薪になり、薪ボイラーの燃料となります。
参加者の皆様は、この夜は、奥三河の幸に舌鼓を打ち、湯谷温泉のお湯を、存分楽しまれたとのこと。
今回のもりの環ツアーは、奥三河の観光だけに留まらず、SDGsを体感する旅となったようです。
今回のツアーは、木材加工機械の業界紙「ウッドミック」にも大きく取り上げられました。
【協力】株式会社 杉生、新城キッコリーズ、合同会社フォレストエネルギー新城
【旅行企画実施】もりりん’ず(有限会社 泉企画)